私は大学院修士課程を修了後、母国に帰国はせず、日本で就職することにしました。
そして、3月から本格的に就職活動を始めて、多くの就活サービスを通して約50社の面接を受けました。
6月まで、面接にいつも落ちていましたが、7月に3社から内定を獲得できました。
留学生としての就職経験やキャリアアドバイザー経験を元に、外国人留学生に向けて就活に関する情報を配信しています。
「日本に就職したい外国人向け」受かるエントリーシートの書き方
就活においてエントリーシートは必ずある選考の一つです。
エントリーシートが通過しないと、面接にも進めません。
面接を受けるためには、まずエントリーシートを通過していなければなりません。
そこで、この記事ではエントリーシートの基本、エントリーシートの書き方、具体的事例等を詳しく説明します。
この記事を最後まで読んで頂ければ、以下のことが分かるようになります。
①エントリーシートの基本
②エントリーシートの書き方
③通過するエントリーシートを書くコツ
「エントリーシートを通過させて、面接に進みたい」学生は、是非最後まで読んでください。
1.エントリーシートの基本
(1)エントリーシートとは
留学生が日本で就活を始めると、初めて「エントリーシート」という言葉を聞くと思います。
では、エントリーシートとは何かを説明します。
エントリーシートは就活における最初の選考になります。
企業がエントリーシートに志望動機や自己PR、学生時代に頑張ったことなどの知りたい項目を質問として設定しているケースが多いです。
就活生にとって、エントリーシートは企業に対して自分をアピールする場になります。
(2)エントリーシートと履歴書の違い
就活では、エントリーシートと履歴書の両方を提出する場合が多いです。
エントリーシートは「企業に自己PRするための応募書類」です。企業は採用選考にエントリーシートを使うことが多いです。
履歴書は「個人情報や資格などを伝える書類」です。採用選考後も、履歴書を従業員データとして使います。
(3)企業がエントリーシートでみている基準
就活生はエントリーシートの評価基準を気になるのではないでしょうか。
エントリーシートの評価基準は企業ごとによって違います。
しかし、多くの企業はエントリーシートで以下の2点をみていると考えます。
①企業が採用したい人材であるかどうか
②エントリーシートが分かりやすいかどうか
まず、企業が学生のエントリーシートを通して、『求めている人材かどうか』を確認しています。
人事がエントリーシートを見て自社の求める人物像でしたら、会ってみたいので、面接に呼ぶ可能性が高いです。
なので、人事はエントリーシートで自社の採用基準に合うかどうかをみています。
次に、『分かりやすいエントリーシートが人事に評価されやすい』と思います。
就活の時期、企業の人事は何百人~何千人のエントリーシートを見ているので、一人一人のエントリーシートを丁寧に読む時間がありません。
なので、人事は、パッとみて分かりやすい文章であれば続けて読むのです。
「何を言いたいのか」が分かりにくいエントリーシートは人事に読まれず、落とされる可能性が高いです。
そこで、エントリーシートを分かりやすい文章で書くのが大事です。
(4)エントリーシート基本項目の書き方
エントリーシートに基本項目と質問項目という2つの項目があります。
まず基本項目の書き方について紹介します。
基本項目には氏名や住所、学歴、資格といった基本情報を記載します。
①氏名:フルネームで書く。「ふりがな」と指示があればひらがなで、「フリガナ」はカタカナで記載する。
②日付:提出日、もしくは前日を書く。エントリーシート全体で、西暦か元号表記かを統一する。
③住所:都道府県、市区町村名、番地、マンション名などを省略せず、書く。
④学歴:高校入学から記載するのが一般的です。学校名や学部は正式名称で書く。
⑤資格:資格を取得した日付や、資格の正式名称で書く。
以上が、エントリーシートにおける基本情報の書き方です。
2.エントリーシートの書き方
就活生はエントリーシート選考で通過できないと、面接に進めません。
エントリーシートを書くゴールは一次面接に呼ばれることです。
どうしたら、一次面接に呼ばれるのか?
エントリーシート選考を通過して、一次面接に呼ばれる為には、エントリーシートに『企業の知りたい、関心のあること』を書くのが大事です。
(1)エントリーシートを書くための手順
では、企業の知りたい、関心のあることを書くために、どんな手順でエントリーシートを書けばいいのかを説明します。
手順は以下の通りです。
①企業の求める人物像を確認する
②質問の意図を理解する
③アピールポイントをまとめる
手順① 企業の求める人物像を把握する
エントリーシートを手に入れたら、すぐに「私は○○をしてきた。」、「私は○○の能力を持っています」など自分の言いたいことをいきなり書いているのではないでしょうか?
そんな学生はちょっと待ってください。
“志望する企業はどんな人物像を採用したいのか”を考えましたか?
企業の採用したい人物像と異なることをいくら上手に書いても、
エントリーシートは通過しません。
書く前に、企業がどんな人物像を採用したいのかを考えましょう。
企業の採用したい人物像を確認してから、どんな自分をアピールするのかを決めます。
ここでは、採用したい人物像に無理やり合わせるために、「本当の自分とは違うことを書く」ということではありません。
企業の採用したい人物像を明確することで、「自分のどんなことをアピールできるのか」を分かるようになるのです。
手順② 質問の意図を理解する
エントリーシートの質問に対して、アピールしたいことを書き始める前に、質問の意図を考えましょう。
「質問の意図を考える」とは、「なぜこの質問を聞いてくるのか」、「この質問から面接官は何を知りたいのか」を深堀りすることです。
例えば、企業は「失敗経験から学んだこと」を知りたくて質問をしているのに、失敗経験の過程ばかりを書いちゃうと、質問の答えになっていませんよね。
だから、エントリーシートにおける質問の意図を理解してから、企業の知りたいことを回答で書くべきです。
手順③ アピールポイントをまとめる
ここまでで、「企業の求める人物像を把握する」と「質問の意図を理解する」を通して、企業の知りたいことが分かってきます。
次に、企業の知りたいことにあわせて、自分のどんなところをアピールするのかまとめます。
(2)文章の書き方
前章にて、企業はエントリーシートの分かりやすさを見ていると書きました。
エントリーシートを通過させるためには、「自分の伝えたいこと」を論理的に分かりやく書くのが大事です。
文章を論理的に分かりやすく書くための、PREP法を紹介します。
PREP法を使うと、日本語に自信のない留学生でも、簡単に文章を書けるようになります。
PREP法は以下の4つで成り立ちます。
Point:結論を書く
Reason:理由を説明する。
Example:具体的な事例を書く。自分の経験と結びつける。
Point:最後に結論を繰り返してまとめる。
以下に、PREP法を使った文章を事例として紹介します。
私の強みは「やり切ること」です。(Point)
なぜなら、辛い時にも投げ出さず、忍耐強く努力を続け、目標を成し遂げることができるからです。(Reason)
例として経済的自立と大学への進学のため、新聞配達しながら日本語学校に通った経験があります。
毎朝2時~6時まで300枚の新聞を配達し、9時から日本語学校に通います。放課後、夕刊配達をします。
雨の朝、バイクで転び、新聞を落としたことがあっても、諦めず最後までやりました。
雨の日や台風の日を問わず、新聞配達を一年間続け、大学の試験に合格しました。(Example)
上記のことから、私の強みは前向きに頑張りやり切ることです。(Point)
このように「自己PR」をPREP法で書くと、面接官が読んでも分かりやすい文章になります。
(3)事例
ここで、エントリーシートによくある質問を事例として紹介します。
事例1:『学生時代に力を入れたこと』
私が学生時代に力を入れたことは、日本語の勉強です。
来日1年目で日本の大学に入学し、ゼミや授業を日本語で受けていました。
そこで、日本語で自分の考えを十分に表現出来ないことがありました。
私は日本語のスキルが足りないと考え、日本語で流暢に話せることを目標にしました。
目標達成のため、普段から、周りの日本人学生と日本語で積極的に交流していました。
また、毎朝30分、日本語会話の本を、声を出しながら練習していました。
その結果として、自分の考えや研究を分かりやすく伝えることが出来るようになりました。
またゼミの発表で、指導教員の先生に「分かりやすい内容でした」と言われました。
この経験から、目標に向かって行動することの大事さを学びました。
事例2:『志望動機』(ある自動車メーカーの志望動機)
私が貴社を志望する理由は、ビジネスパートナーである他のメーカーと共同で技術や製品を広めていくことができると感じたからです。
私は大学学部生の時から、研究活動を通して、技術自体が評価されていても技術面以外での課題によってビジネスに結びつかないことがあると実感した経験があります。
その時、周囲の人と協力しながら、技術研究をビジネスに結びつける成果を出しました。
この経験から「様々な利害関係者と一つになってプロジェクトを遂行できること」の大事さを学びました。
特に現場主義を掲げる貴社で、泥臭く他のメーカーの現場に赴き、技術と市場のニーズをつなげて日本の産業界に貢献していきたいと考えていります。
事例3 :『自己PR』
私の強みは、「目標に向かって行動する」ことです。
母国の大学を卒業した後、日本の〇〇大学への進学を目標にし、〇〇大学に入学出来たからです。
日本の大学に進学するためには、日本語の能力が重要になるので、はじめに日本語を学び始めました。最初の半年間では、「みんなの日本語」教科書を独学し、日本語能力試験3級を取りました。その後、日本語学校に学生として、来日しました。
日本語を学びながら、〇〇学に関する論文や情報を調べ、進学試験の準備をしました。
その結果、日本語学校で1年半勉強してから、〇〇大学の〇〇学に進学することが出来ました。
上記のことから、私の強みは「目標に向かって行動する」ことです。
エントリーシートによくある定番の質問をどのように書くのかを、具体的事例で紹介しました。
これらの質問はエントリーシートだけではなく、面接でも聞かれることが多いです。
早めに回答を準備しておきましょう。
3.エントリーシートを書くポイント
ここまででエントリーシートの文章の書き方を紹介しました。
次に、エントリーシートを書くポイントとエントリーシートを書く上で役に立つサービスを紹介します。
(1)エントリーシートを書くポイント
まず、エントリーシートを書く上でのポイントを紹介します。これらのポイントを意識しながら、エントリーシートを作成すると、通過しやすくなります。
では、エントリーシートの書く上での9個のポイントを紹介します。
①嘘を書かない
②質問意図を理解する
③長い文章を書かない
④あいまいな単語を使わない
⑤専門用語を使わない
⑥内容を具体的に書く
⑦他人からフィードバックをもらう
⑧誤字脱字をチェックする
⑨漢字とひらがなのバランス
上記9個のポイントを一つずつ説明します。
①嘘を書かない
エントリーシートでは素直に書くのが大事です。エントリーシートを通過させるために、嘘を書く学生もいると思います。
しかし、エントリーシートに嘘を書いて、通過したとしても、面接でバレます。面接で嘘がバレたら、信用がなくなります。もちろん、面接に落とされます。
なので、エントリーシートを正直に書きましょう。
②質問の意図を理解する
「質問の意図を理解する」ことは、エントリーシートを書く手順でも説明しました。
エントリーシートを書く時、質問の意図を理解した上で、回答を書きましょう。
なぜなら、企業がなぜその質問するのか分からないと、企業の知りたい回答が出来ないことはあります。
例えば、「失敗経験を教えてください」という質問に対して、失敗した経験の過程を一生懸命に書く学生はたくさんいます。実は企業が失敗から学んだことを知りたいのです。
なので、エントリーシートを書き始める前に、質問の意図を理解しましょう。
③長い文章を書かない
エントリーシートにおける文章が長くならず、簡潔に書きましょう。
エントリーシートの文章が長いと、分かりにくい文章になります。
企業の人事がエントリーシートをみて、「何を言いたいのか」が分からないと、エントリーシートが落とされます。
エントリーシートを通過させるために、文章を簡潔に、分かりやすく書かなければなりません。
④あいまいな単語を使わない
エントリーシートを書く際、あいまいな単語を避けましょう。
特に留学生は日本語の意味を深く分からず、周りから学んだ単語を使うことが多いです。
曖昧な単語ばかりをエントリーシートに書いてしまうと、面接で深堀りされます。その時、答えられなかったら、面接の評価が下がります。
例えば、エントリーシートに「グローバルな」という単語をたくさん使って、面接官に「あなたにとってグローバルとは何ですか」と聞かれます。
特に、「グローバル」、「コミュニケーション」、「マーケティング」、「リーダシップ」などの抽出的な言葉に気をつけましょう。
⑤専門用語を使わない
エントリーシートには専門用語を避けましょう。
自分の分野や研究に使われる専門用語をエントリーシートに書いてしまうと、その分野に詳しくない方にとって分かりにくいのです。
専門用語を使わず、誰でも分かる文章で説明しましょう。
⑥内容を具体的に書く
エントリーシートの内容を具体的に書くのが大事です。具体的に書くことで、人事の印象に残り安いし、納得力はあります。
なので、エントリーシートを書く際、自分の経験に結びつけて、具体的な内容を書きましょう。
⑦他人からフィードバックをもらう
留学生は自分の言いたいことを日本語で表現するのが難しい時もあります。その時、書いたエントリーシートを日本人の友人や就活エージェントにみてもらうと、エントリーシートが通過しやすいです。
また、エントリーシートを自分一人で書いてしまうと、どうしても客観的な文章になりません。客観的なエントリーシートを書ける為に、周りの人にフィードバックをもらいましょう。
⑧誤字脱字をチェックする
エントリーシートを書き終わったら、そのまま企業に提出しないでください。
エントリーシートを提出する前に、誤字脱字をチェックし、間違いを直します。
エントリーシートに誤字脱字が多かったら、人事に良い印象が残らないです。
特に留学生は漢字や文法を間違えやすいです。
エントリーシートの誤字脱字を避けるために、書いたエントリーシートを繰り返して読み、間違いをみつけます。また、自分で間違いをみつけにくかったら、他の人にみてもらい、直してもらいます。
⑨漢字とひらがなのバランス
エントリーシートを書く時、文章における漢字やひらがなのバランスを取ると、読みやすい文章になります。
漢字に弱い留学生はエントリーシートをひらがなで書いてしまうと、人事がみて、読みにくいです。
逆に、エントリーシートに漢字ばかり書いてしまうと、普段あまり使わない漢字も多くなります。難しい漢字が多いエントリーシートもよみにくいです。
なので、エントリーシートにおける漢字とひらがなのバランスを意識すると、読みやすい文章を書けるようになります。
ここまで、エントリーシートを書く際のポイントをまとめました。以上のポイントを意識すると、エントリーシートの通過率が上がります。
また、エントリーシートだけではなく、社会人になっても、文章を上手に書けるようになります。
文章を書く際、以上のポイントを意識しましょう。
(2)エントリーシートの作成に役に立つサービス
特に留学生は一人でエントリーシートをゼロから書くのが難しいので、エントリーシートの作成に役に立つサービスを紹介します。
エントリーシートに役に立つサービスを上手に利用すると、エントリーシートにかかる時間や苦労を減らすことが出来ます。
無料から有料までたくさんのサービスが存在するので、自分に合うサービスを選んで利用しましょう。
では、次にエントリーシートを作成する際、使えるサービスを一つずつ紹介します。
①みん就
みん就(みんなの就職活動日記)は楽天株式会社が運営する、日本最大の口コミ就活サイトです。
みん就では、就活生たちが情報交換しているので、有名な会社の内定をもらった学生のエントリーシートをみることができます。
みん就に書かれている他の学生のエントリーシートを読むことで、情報を得られるし、エントリーシートの作成に参考になります。
就活情報を得る機会が少ない外国人留学生におすすめのサイトです。
②Unistyle
UnistyleはUnistyle株式会社が運営する、就職に関する記事を掲載しているサイトです。
Unistyleでは、就職に関する記事をたくさん掲載しています。また、大手企業の内定者のエントリーシートを数万枚も掲載しているので、内定者のエントリーシートを参考にすることが出来ます。
エントリーシートを書くのが苦手な学生、大手の企業を志望している学生におすすめのサイトです。
③留学生就活ナビ
留学生就活ナビは日本で就職したい留学生に向けの就活情報サイトです。
留学生の視点から、多くの就活ノウハウを発信しているので、留学生の就活に参考になります。
留学生の就活日記では、エントリーシートに関する記事以外に、オンライン面談を行っています。
エントリーシートを他人にみてもらい、アルバイトをもらいたい学生はぜひ利用してください。
④Openwork
Openworkはオープンワーク株式会社が運営する、企業の口コミサイトです
Openworkでは、社員が元社員の口コミ情報により、企業の成長、社内雰囲気、待遇面の満足度、人材育成などから企業の評価を行っています。
企業の元社員が企業の情報を書いているので、リアルな情報を得ることが出来ます。こうした情報を参考にし、エントリーシートの志望動機を書きます。
エントリーシートの書き始めには、Openworkで情報が収集できます。
Openworkは無料で登録出来ますが、毎月1,000円(税抜き)を払うと、全ての口コミを見ることが出来ます。Openworkでたくさんの口コミ情報を手に入りたい方には、有料プログラムがおすすめです。
⑤ココナラ
ココナラは知識・スキル・経験など、みんなの得意をサービスとして出品・購入できる日本最大級のスキルマーケットです。
ココナラで現役の人事やキャリアアドバイザーが就活の相談やエントリーシートの修正などのサービスを提出しております。
周りにエントリーシート添削や就活の相談を頼める友人や知り合いがいない場合は、ココナラで探すことをおすすめです。
まとめ
最後までみて頂き、誠にありがとうございます。
この記事を通して、留学生が高い通過率のエントリーシートを書けるようになるのが、私たちのゴールです。
エントリーシートを通過させるため、エントリーシートの基本、文章の書き方やポイント、参考サイトを詳しく紹介しました。
この記事を読んで、エントリーシートの書き方について理解出来たと思いますが、自分でエントリーシートを書き始めると、うまく書けない学生もいると思います。
そんな皆さんは、留学生就活日記に是非相談してください。日本で就活の経験を持ち、日本語のライター経験もある先輩たちが1対1でエントリーシートの書き方を指導します。また、完成したエントリーシートを添削することもできます。